CATEGORY:海軍 上海海軍特別陸戦隊
2016年05月20日
日本海軍 食缶 大/小

海軍の食缶(配食器や飯缶とも)です。これに副食や炊きあがった米をいれ、各卓へ運んだのち食事用意をします。
因みに戦後に軍の備品や貯蓄品が民間に譲渡された際、この食缶は学校や病院などに渡っています。70年経った今も当時の物が使われている可能性はほぼ無いですが、今も学校給食では似たような形をした食缶をつかってますね。

食缶(大)です。こちらは蓋に4/69の文字が書き込まれています。部隊の69個中の4つ目ということでしょうか?
持ち手部分は木製で、鉄製の金具で締めてあります。持ち手部分もバリエーションがあり、この個体はその場で回転するのみですが左右に自由に動くものもあります。

蓋の裏面。大阪アルミニウム製です。


側面。蓋にも書かれていた4/69の他に「特155」と書かれています。これが部隊を指すものだと思うのですがさて?断定が出来ません。持ち手の金具部分は鉄製のため、本体より腐食が進んでいます…。

内部。飯盒のように米粒の痕跡が残っています。

食缶(小)です。こちらは何も書かれていませんでした。よくある文字の部分を掘り込んだり凹みを点々と付けるような物の痕跡も無しなので、恐らく最初から書かれていなかったのでしょう。


持ち手と側面。こちらは大よりも状態がよく、黒染された部分がよく残っています。食缶大と木製部分の形状も違いますね。

内部。恐ろしい事に画像左上の辺りの底が溶けています。戦後にアルミを溶かすような高温が発生する事をこの中でしたのでしょうか?一体何を…。


ここからは当時の写真です。例によって上海特別陸戦隊の写真帖からの出典です。
上二枚は演習中の昼食前の様子です。

これは昼食中の一枚。飯杓子が突っ込まれているのが写っていますね。

こちらは正月の餅つきの際の写真です。足元に食缶が置いてありますが…恐らく餅粉の類を入れていたようです。

主計隊の野外烹炊の写真です。一見写っていないように見えますが…左の方をよく見ると夥しい数の食缶が山積みに!!